オフィスや施設で冬場に悩まされるのが「乾燥」。風邪やインフルエンザの流行だけでなく、静電気によるOA機器のトラブルや、お客様の快適性低下にも直結します。
そんな課題を解決するのが「業務用加湿器」です。しかし種類や性能はさまざまで、どれを選べばよいか迷う方も多いはず。
そこで本記事では、広い施設向け・スモールオフィス向け・卓上タイプの3分類に分けておすすめモデルをご紹介。さらに、購入前に押さえておきたい選び方のポイントや導入メリットも解説します。
オフィスや病院、塾、美術館に加湿器を導入を検討する方は、この記事で紹介する業務用の加湿器を参考にしてみてください。
3つのタイプの業務用加湿器
タイプ① 広いオフィスや施設向け
広い空間でしっかり加湿したい場合は、大容量タンクと高い加湿能力を備えた業務用加湿器がおすすめです。
▼写真は「KSF-N15C」
例えば「KSF-N15C」は約25畳まで対応し、最大加湿量1,500ml/hとパワフル。キャスター付きで給水作業も快適に行えます。
▼写真は「KSF-M1003」
また「KSF-M1003」も、10Lタンクと1,200ml/hの強力な加湿性能を持ち、大人数が集まるオフィスや病院、塾、美術館などに最適です。
▼山善の業務用加湿器(スペック比較)はこちら
※表は横にスライドできます。
タイプ② スモールオフィス向け
少人数のオフィスや美容サロンなど、8〜15畳程度のスペースにはコンパクトながら機能的なモデルが適しています。
▼写真は「BEAR-S34」
新製品「BEAR-S34」は湯こぼれ防止構造やマグネットプラグを備え、安全性が高い点が魅力となっております。
▼写真は「KKSF-GB40E」
「KKSF-GB40E」は3種類の給水方法に対応し、使い勝手の良さで人気です。
▼写真は「KS-GC282」
また「KS-GC282」は急速モードを搭載し、乾燥が気になるときに素早く湿度を上げられます。
▼山善の業務用加湿器(スペック比較)はこちら
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タイプ③ デスクの卓上タイプ
個人のデスクやリモートワークでの乾燥対策には、卓上サイズの加湿器が便利です。エアコンの風が直接当たる席や、窓際の乾燥しやすい環境などで、目の乾燥や喉の不快感にお悩みの方におすすめ。
▼写真は「KS-AA30」
「KS-AA30」はシンプルな上部給水型で、手軽に使える点が魅力であり、3Lタンクを備えつつコンパクトで、コストパフォーマンスにも優れています。
▼写真は「KKS1-B25E」「KKS1-J15E」


「KKS1-B25E」や「KKS1-J15E」はさらに小型化されたモデルで、4畳以下のパーソナル空間に最適。電気代も1時間あたり数円程度と非常に経済的です。
▼山善の業務用加湿器(スペック比較)はこちら
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※1 加湿能力について
加湿量、連続使用時間、適用床面積につきましては、室温20℃・湿度40~60%の条件の基で 測定した値を表示しています。
製品の加湿能力は、部屋の温度・湿度、部屋の構造・材質、使用されて いる暖房機器などの影響で変化します。
使用される条件によっては、表示値に対して差異が生じることがあります。
※2 電気代目安について:電気代は、電気料金目安単価 31円/kWhを基に算出しています
※「強」運転時
業務用加湿器の5つの選び方
選び方① 加湿能力で選ぶ
業務用加湿器を選ぶ際の最も重要なポイントは、使用する空間の広さに対して適切な加湿能力を持つ製品を選ぶことです。加湿能力は「ml/h(1時間あたりの加湿量)」で表示され、この数値が大きいほど広い空間を効率的に加湿できます。
例えば、15畳以上の広めのオフィスや会議室には、最低でも1000ml/h以上の加湿能力が必要となります。適切な加湿能力を選ばないと、湿度が上がらず効果が得られないか、逆に過加湿によるカビや結露の原因となります。
実際の部屋の広さよりも、やや大きめの適用畳数の製品を選ぶことで、加湿器への負担を軽減し、製品寿命を延ばすことができます。また、天井が高い空間や、換気回数が多い場所では、通常より大きな加湿能力が必要になります。
選び方② 安全性で選ぶ
オフィスや施設で使用する加湿器は、多くの人が行き交う環境で使用されるため、安全性が極めて重要です。
新製品の「BEAR-S34」は、転倒しても水がこぼれにくい「転倒流水防止構造」(実用新案取得)を採用し、思わぬ事故を防ぎます。小さなお子様やペットがいるご家庭でも安心して使えうことができます。
▼写真は「BEAR-S34」
さらにチャイルドロック機能や、足がかかっても外れやすいマグネット式コードを搭載。日常のちょっとした不安を解消し、誰でも安心して使える加湿器です。子どもが多く集まる塾や病院では、チャイルドロック機能も付いているかも確認しておきましょう。
選び方③ コスパで選ぶ
業務用加湿器の導入においては、初期費用だけでなく、ランニングコストも考慮する必要があります。スチーム式加湿器は加熱により水を蒸発させるため電気代がかかりますが、衛生的で確実な加湿が可能です。
当社製品は、効率的な加熱システムにより、同等の加湿能力を持つ他社製品と比較して、電気代を約20%削減できるモデルもあります。例えば、KKS1-J15Eは1時間あたりわずか約4円の電気代で運転可能です。また、フィルターなどの消耗品が不要なため、長期的なコストを抑えることができます。
▼写真は「KKS1-J15E」
年間を通じて使用する場合、電気代の差は大きな金額となるため、省エネ性能の高い製品を選ぶことが重要です。
選び方④ メンテナンス性で選ぶ
業務用加湿器は毎日使うものだからこそ、給水や清掃のしやすさが重要です。タンク容量が大きければ長時間稼働できますが、重すぎると給水が大変になることもあります。
上部給水機能を搭載した製品では、タンクを取り外すことなく、上から直接水を注ぐことができ、給水作業の時間を大幅に短縮できます。また、大容量タンクを搭載したモデルでは、給水回数を減らすことができ、業務の中断を最小限に抑えられます。
例えば、KSF-N15Cは15Lの大容量タンクにより、強運転時でも約10時間の連続運転が可能で、1日1回の給水で済みます。
▼写真は「KSF-N15C」
さらに、キャスター付きモデルは、給水場所への移動や清掃時の移動が容易で、メンテナンス作業の負担を軽減します。定期的な清掃も、シンプルな構造により簡単に行え、常に清潔な状態を保つことができます。
選び方⑤ 加湿方式で選ぶ|衛生的でパワフルな「スチーム式」が最適
業務用加湿器には、主に「スチーム式」「超音波式」「ハイブリッド式」の3つの加湿方式があります。それぞれにメリット・デメリットがありますが、多くの人が利用し、衛生管理が重要となるオフィスや施設には、結論として「スチーム式」が最もおすすめです。
なぜスチーム式が最適なのか、各方式の特徴と比較しながら見ていきましょう。
▼「スチーム式」「超音波式」「ハイブリッド式」を比較
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方式 | 仕組み | メリット | デメリット | 業務用での適性 |
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スチーム式 | 水を加熱して蒸気に変える |
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◎ 衛生的かつ大空間に対応。 |
超音波式 | 超音波振動で水を霧状にする |
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△ パーソナル利用なら可。 |
ハイブリッド式 | 加熱+気化を組み合わせる |
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◯ 小規模オフィスや家庭向け。 |
■ なぜ「スチーム式」が業務用に適しているのか
オフィスや病院、施設といった不特定多数の人が出入りする環境では、衛生面が何よりも重要です。超音波式やハイブリッド式は、フィルターやタンクの清掃を怠ると、水に含まれる雑菌やカビを空気中に放出してしまうリスクが伴います。
その点、スチーム式は、一度水を加熱させて蒸気に変えるため、非常に衛生的です。小さなお子様がいる塾や、免疫力が低下している方が利用する病院・高齢者施設でも、安心して導入できます。
また、冬場の暖房で乾燥した広い空間を一気に潤すには、パワフルな加湿能力が不可欠です。スチーム式は他の方式に比べて加湿能力が高く、スピーディーに快適な湿度環境を作り出せる点も、業務用として大きなメリットと言えるでしょう。
加湿器を導入する4つのメリット
メリット① 乾燥対策で健康維持
オフィスや施設では、空気の乾燥が感染症の原因となりやすく、特に冬場はリスクが高まります。
厚生労働省は、インフルエンザや新型コロナウイルスの感染予防対策として、室内湿度を40%以上に保つことを推奨※しています。適切な湿度管理により、ウイルスの浮遊時間が短くなり、喉や鼻の粘膜が適度に潤うことで、自然な防御機能が維持されるためです。
※参考:寒冷な場面における感染防止対策の徹底等について(厚生労働省)
特に病院や高齢者施設、学校などでは、集団感染のリスクを大幅に低減できます。また、乾燥による肌荒れや目の疲れ、喉の痛みなどの不快症状も改善され、従業員の体調管理にも役立ちます。
メリット② 静電気防止(OA機器・精密機器保護)
乾燥すると静電気が発生しやすくなり、OA機器や精密機器のトラブルを引き起こすことがあります。コピー機やパソコンなどに静電気が帯電すると、データ破損や誤作動の原因となるケースもあります。
業務用加湿器を設置して湿度を一定に保てば、静電気の発生を大幅に抑制できます。そのため、IT機器やサーバーを多く使用するオフィスでは、湿度管理は設備保護の観点からも必須です。
設備の不具合による業務停滞を防ぐだけでなく、機器の寿命延長や修理コスト削減にもつながるため、加湿は単なる快適性向上にとどまらず、資産保護にも役立つのです。
メリット③ 楽器や美術品などの保護
乾燥は人体だけでなく、木製の楽器や美術品にも悪影響を及ぼします。湿度が低下すると木材がひび割れたり、絵画や紙資料が劣化することがあります。
美術館や音楽ホールでは業務用加湿器の導入が欠かせず、適正な湿度を維持することで貴重な資産を守っています。オフィスでも木製家具や内装材を保護する効果があり、長期的に見れば修繕コストを削減できます。
特に文化施設や教育現場、展示会場では加湿による資産保護の価値は大きく、来場者にとっても快適な空間を提供できます。
メリット④ 従業員・お客様の快適性アップ
湿度が低い環境では、肌の乾燥や喉の痛みだけでなく、集中力の低下や疲労感を招くことが分かっています。研究によると、適度な湿度が維持されている空間では、作業効率が高まりパフォーマンスの向上につながるとされています。
業務用加湿器を導入することで、従業員の体調を整えながら生産性を高められるほか、来訪するお客様にとっても居心地の良い環境を提供できます。特に接客業やサービス業では、快適な空気環境が顧客満足度の向上に直結します。
加湿器の嫌な臭いを防止するには
業務用加湿器を長時間使用していると、水タンクや内部に雑菌が繁殖しやすく、嫌な臭いの原因となることがあります。特にオフィスや施設では多くの人が利用するため、清潔な加湿環境を維持することが重要です。
そこで役立つのが専用の加湿器用除菌液です。タンクの水に数滴加えるだけで、雑菌の繁殖を抑え、常に快適で衛生的な加湿が可能になります。
除菌液は消臭効果も兼ね備えており、空気中の不快な臭いを軽減するのに効果的。日常のメンテナンスと合わせて使用することで、安心・快適な湿度管理を実現できますので、弊社の加湿器の除菌液 KSJ-500もあわせてご検討ください。
▼加湿器の除菌液 KSJ-500
価格 1,780円(税込)
まとめ
業務用加湿器は、大容量タイプからスモールオフィス向け、さらに卓上タイプまで幅広いラインナップがあります。
選ぶ際は
- 「設置場所の広さ」
- 「安全性」
- 「コストパフォーマンス」
- 「メンテナンス性」
の4つを意識するようにしましょう。
加湿器を導入することで、乾燥対策による健康維持や静電気防止、資産の保護、快適性アップといった多くのメリットが得られます。オフィスや施設の環境改善を検討している方は、ぜひ業務用加湿器の導入を前向きに検討してみてください。
入社時期:2009年入社
部署担当:EC部門で家具・家電商品を担当
私自身、冬場のオフィスではエアコンの乾燥に悩まされ、夕方には喉がイガイガすることも。
この記事でも紹介しているパワフルなスチーム式加湿器「KSF-N15C」をフロアでも導入していて、それからは喉の調子も良く、不快な静電気も激減。
快適な湿度がいかに重要か実感しています。この記事が、皆さまの職場環境の改善に繋がれば幸いです。